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これからのこと [雑記]

新型コロナウイルスによる感染症が止まりません

以前、医療崩壊つーかなんつーか
というエントリをしたけど、
相変わらず国の方針が全然理解できません

看護師の離職については
「もう辞めればいい」としか思えない

だいたい看護界には
感謝と奉仕の精神、みたいなのがはびこっていて
ボランティア魂っていうか
実際に志望動機として「困っている人の役に立ちたい」
みたいなこと掲げてる人が多い

私の志望動機はなんだったかというと
「女の自分が自立して食っていける仕事は何か」
ってことで、自分の学力とか就職率とか考えたら
これしかなかった

高校生の頃、進路を真面目に考えているときに
思っていたこと

学校の先生→学校に良い思いがないのでNG
警察官→なるなら良い大学出ないとねぇ
栄養士→女子大なら管理栄養士イケるか
看護師→手に職感すごい 離婚してる人も多い
    てことは生活できる

みたいなことを思っていて
そんな理由で選択した職業
(管理栄養士になる学科も受けたけど落ちたんだよ)


実習は通えないから実習が始まると
一人暮らしになるんだけど
10万円の仕送りで59,000円の家賃を払って
電気・ガスの他、実習先までの交通費を払って
食費も、今考えてもよく生きてたなってぐらい
今同じことをやれと言われても出来ない

実習は本当にきつかったなぁー
生活より、実習そのものが耐えられない
指導者も教員も、普通にパワハラ三昧でしかない
何があっても「絶対に学生が悪い」

患者も今と違って長期入院しているから
過去にも実習生が付いたことがある人とかで
入院中のイライラを学生にぶつけて
毎度実習が中断する、っていう患者とかいたのだけど
病院も普通にそういう人にも学生を付ける体制
「またー?何人目ーw」ていう

耐えられずに退学していく人もかなりの確率で居たし
しかし実習が耐えられないってことは
その後就職してもあっさり退職していくだろう
っていうぐらい、振るいにかけられてる感もあった

私の友人も鬱になってその領域だけ再実習になったし
私も寝不足と低血糖で何度も駅で具合が悪くなって
ウイダーインゼリーを飲んで実習先に行って
本当にギリギリのところで生きてた感じがする
(それぐらい普通だよ、って思う人には
耐性弱くてすみません)

「ここで辞めたらこの後食っていけない」
それしか考えていなかった

ま、そんなわけで晴れて看護師になってからも
ゴールではなく地獄のスタートラインに立ちました、
ってだけなんだけど

楽しいこともありつつ
苦しいこともありつつ
恨みに思うこともありつつ

まぁなんとかここまで続けている次第
「困ってる人の役に立ちたいからです!」
とか言って学校の広報に出てたような人たちは
アッサリと辞めていった

でも頭がいいんだろうなと思う
他の選択ができる、っていうのは

使命感だけでやってる人はちょっと違うし
私なんかは「他に選択できる能力がないから」
ってどうしようもない理由

ここで辞めました、とか言うと
「あなたみたいな人にはずっと続けてほしかった」とか
「残念です、向いてるのに」とか
すげー勝手に無責任なことを言われるんだろうけど
続ける理由も辞める理由も、他人にも患者にも関係ない
ただ、「やってるからにはちゃんとやれ」それしかない

きっとこれから、たくさんの看護師が辞めていくだろう
今は他に迷惑がかかるから退職できないだけで
感染症が落ち着いたら「もういいですよね」ってなるだろう
感染した看護師が続けるにしても
後遺症からできる仕事が制限されていく人もいるだろう

それぐらい、報酬と仕事内容のつり合いが取れていない
(本当に能力不足のナースもたくさん居ますけどね)


今年一年で変わったことってなんなんだ
・町の風景としてはマスクをする人が増えた
・薬局にマスクがちゃんと並ぶようになった
・外食のお店にアクリル板が立った
・ホームセンターやスーパーマーケットなんかも
 営業時間短縮で逆に人が集中するようになった(皮肉)
・石鹸での手洗いをする人が増えた
…これらは個人や事業主の取り組み

じゃあ国がやってることで一般市民として感じることは何か
・緊急事態宣言を出した
・一人あたり10万円給付した
・雇用調整助成金を出した
・感染者の隔離先を病院だけでなく宿泊施設などに広げた
・GoToのキャンペーンで外食と移動を推進(皮肉)
・医療従事者に慰労金を出す決定(けど全然給付されない)
・症状があって診察の上であればPCR検査が保険適応になった
ちょっとあと思いつかなくて申し訳ないんですけど

これだけのウイルスなんだから
無症状の人も保険適応して検査してくれよ
無症状の人がバラ撒いたら意味ないだろう

ってぐらい、もはや感染者数の増加をしているけど
結局国としての対応は「なんかしてます?」状態

医療費削れって人も賃金も減らすだけ減らしておいて
「人手が足りないから来てください」って
ずいぶん勝手なことを言うもんだ

その減らした看護師に清掃までやれって唖然
感染症対策を訓練した清掃員を育成するとか
やるわけでもなく
リネン交換から清掃から看護師が、て
余計手が回らなくなるだけだ


これからイタリアやアメリカみたいになったら?
酸素ボンベの備蓄とか大丈夫かしら
マスクでさえ備蓄していなかった国、日本。
個人が在宅酸素の備蓄ができるように
進めるわけでもなく、ボーッとしてるけどいいのかね


元々崩壊している医療はこれから回復しない
そもそもの2025年問題なんかこれからだし

そこへ感染症病床においては
ベッドの利用率なんか100%にするなんか絶対無理
50%だってだいぶ無理なんです
それは人も機材も足りないから

だってそれは感染症じゃなかった場合の
ベッド数と稼働率であって
感染症対策のベッド数としてカウントするなら
人材の配置が絶対に絶対に足りない

つい先日北海道のクラスターが起きた病院で
転院できなかった、大学病院に受け入れてもらえなかった
という話が出ているけど、そりゃそうだ
高齢者で寝たきりとか認知症とかの患者を
ベッドも人手も、全然ない
受け入れるなら重症化してから、てなっちゃう

自立していない人とか徘徊する人とか
ガチガチの感染症対策をしなくてはいけないのに
そこにそんな人たちのお世話なんかする余裕が
どこにあるのだろうか
それは地域の病院で自分たちでやって、
てなるのもわかる

やらなければいけないことと実際にできることは
同じじゃないんだから、できないなら受け入れられない
それがなぜそんなに責められることなのだろうか
と思った

日本という国は建前がすごい
口では「長生きしてくださいね」とか言っておいて
実は「医療費が切迫している」つって、その切迫原因を
「働く人が多いからだ」とか言って診療報酬を削ってくる

アホなんですかね、アホですね

高齢者とその家族への心構えを説くわけでもなく
言えないよねーそりゃ
高齢者からの支持票欲しいもの
本当のこと言ったら票なくすもの


日常生活自立度の低い高齢者のお世話は
行き届かないんですよ正直
認知症なら尚のこと

ご飯だって誤嚥しないように注意しながら
そばに吸引瓶とかセットして
嚥下の観察しながら食べさせるんだけど
食べてる途中で「ダダダッパパッパッパッ!」とか
お粥を食べてる途中でパ行タ行カ行とかの
不明な発語をしてペッペペッペと飛ばす人もいる

食べないんかーと思いきやスプーンを出すと
小さじ半分ずつゆっくりゆっくり食べる

1人の食事介助に1時間

こっちのイライラを患者に察知されると
薬を飲まないとかまた余計面倒なことになるから
心を無にして、イライラは絶対察知されないように
相手に合わせてゆっくりゆっくり

「はい30分経ちました、時間でーす」って
食事を打ち切るなんてできないですから仕方ない

これは人手が要るでしょう

昔と違って同時に2人の食事介助をするとか
スタンダードな感染管理として無いから
1人ずつキッチリ

さっさと食べさせて誤嚥したら看護師の責任

労働時間8時間または夜勤で16時間の内
1時間または2時間が食事介助って
これこういう患者が2人居たら×2ですからね

食べたら「トイレ行きたい」っていう老人が
自分でモタモタモタモタモタモタ靴履いて
モタモタモタモタモタ歩いて
ヨロヨロしながら便座に座って
「もう漏れてますね」って状態に
あらー、って言いながらニコニコしながら
付き合うんですよ

そんで便臭嗅ぎながらべったり付いたウンチ拭いて
靴脱がして服脱がして便座から落ちないように支えて
「まだ出る」とか言われながら
新しいオムツと服に足通して新しい靴下と靴履かせて
またお尻と便の付いた足を洗浄して皮膚の観察して

んで戻ったとたんに10分でまた「トイレ行きたい」
無視してたら倫理が何とかってなるし
「トイレ行きたい」「トイレ連れてって」
「お姉さん、トイレー」「お姉さん」

ってもうノイローゼになりそうなほど立て続けに言われる
もうそのトイレに執着してる時間帯はトイレとの往復

歩けるだけまだマシ、ってぐらい
(立つこともできないのに「トイレ」「オムツは嫌なの」
「トイレ行きたいの」って言われるのとか本当につらい)

スルーする看護師もいる 
それも一つのスキルだなと思うほど
「はーい、順番ねー」って言い続けて
2時間3時間そのまま
人として壊れてるのかなと思うほどのスルー力

寝たきりでおむつ交換するのに
全力で殴る蹴るの患者もいる
看護師が軽く脳震盪起こすほどの暴力とかもザラ

「事前に薬飲ませれば」、て飲ませたところで
その瞬間の暴力にピンポイントで効く薬なんかない
効かないor効きすぎてずっとウトウト
+おむつ交換できないほど暴れる

殴られたり引っ掻かれたりしたら
それまた暴力を受けたインシデント
挙句に「スキルが低いから暴力を受ける」とか言われる

「嫌がってるならやらなけばいいじゃない」
そうすると褥瘡が出来て
結局看護師の介入不足、てインシデント

そもそもタイミングで良い悪いもない場合は
ずっとやらない、てそれまた「ないですよね」

普通に「高齢者の排泄介助」の一言で所要10分で
終わる仕事じゃないんですよ
ある意味ICUばりに人手を要する

施設はコントロールが悪いと病院に連れてくるから
そこまで継続して暴力とかないだろうけど
病院は違う

そして転ばせたら看護師の責任
褥瘡が出来ても看護師の責任

なにしろ高齢者が社会に多い
そして今時90歳でも全身麻酔かけて手術する時代

トイレだけで1人に15分も20分もかかるのに
それ8時間のうち1人3回を5人連れてってたら、
残りあとオムツ交換してたら
それだけで7時間以上かかりますよね
輸液管理も検査も手術もありますよね

え?

成り立たなくない?
おかしいよね

成り立たないです 
おかしいんです
だから帰れないんです

お昼1時間の休憩時間なんかあるわけない
たいてい15分で歯磨きまで済ませてあとは
「ナースコールに対応しなくていい時間」として
仕事しているのが現実

「休んで、休憩時間はちゃんととって」って
ちゃんと取ったら帰る時間が遅くなるだけ

冗談じゃない、こっちだって休ませて欲しいわ
休めないから休んでないだけ

本当に忙しい時なんか5分で歯磨きまで完結させるぐらい
3分でご飯、残り2分でトイレ、歯磨き、
で「戻りました」って戻る

「残業理由は何なの」って言われて
次の勤務者に交代してからやっと取り掛かれる
残った看護記録です、ってなると
「これだけ便利になってるのになんで終わらないの」
って、

なんでーーー
使いにくい電子カルテのおかげで
より一層仕事のスピードが落ちる
画面が見にくいから遡って情報をとる時間が増える
見落としが多くなる

お金のかかることを嫌がるから
使いやすいカスタムをしない
これは多分どこの組織も同じようなもんだと思われる

そしてこれを人海戦術でどうにかしようと
現場が努力しても残業時間はどうしても発生する
そうすると「残業時間が多い」って上からお叱りが来るから
ここで現場が最終的に出す答えは「サービス残業」

どぅーーーーん
なんなら家に帰っても仕事してるっつーの

こういうのが日常なのに、
これにフルで感染防護具付けて
感染症病棟としての働きをする、てなったら?

(ていうか、そういう患者さんたちが
重症化したら人工呼吸器と人工心肺のせて
その先....ゴール、どこよ?てなるけど
そんなこと恐ろしくて誰も言えない)


「看護師さんたちには本当にお世話になって
ありがとうございます」「感謝してます」

いやぁ感謝のお気持ちとか要らないです
ただ仕事を全うしてるだけですから

何でしたらお気持ちで済ますんじゃなくて
政策に興味を持って還元されるよう一国民として
投票をお願いします

応援メッセージも要りません
仕事なのでちゃんと報酬をください
お礼の気持ちじゃなくてお札が欲しいです

個人のクッキーとかの差し入れなんか要らないです
賄賂みたいなことで済ますのやめてください
受け取ったらまた上から怒られるのこっちなんです
迷惑です本当に


なんで日本てこうなんだろう
看護者が腰を痛めながら
感謝の気持ちでやりがいを搾取されている
そこに余裕なんかあると思ってか

看護の世界の偉い人たちはそれが分かってない
ビックデータがどーのこーのと楽し気に言ってるけど
そんなの現実の業界で全然「なるほど」感に降りてきてない

これは世の中のお母さんたちの忙しさも同じだろう
「今は洗濯機だって全自動だし
ルンバも出来た、食洗器もある、なのになんでできない
お袋は仕事もしながらやってた」
とか言われるアレ

自立度です
昔の子供は帰ってきてからゲーム三昧やら
塾の送り迎えに親を使うとかなかったろ
面倒を見る対象者の自立度が下がってる
もしくは支援しなくてはいけない理由が増えたからです!
っていうやつ

つまり支援を要する高齢者が増えた、ってことは
それだけ介助者が増えないとおかしいわけです
そこへもってきて新型感染症対策と対応ですよ
さらなる時間がかかる事項が増えるわけですよ
そして全身状態が悪くなればその管理にも人手を要するわけです

そしていろいろ不便さとやることが増えたけど賃金は減る
慰労金なんかに至っては「そんな話あったよね」
「いつだっけ申請したの…」状態

だいたい1年続いているこの非常事態にたかだか20万とか
(ひと月に20万ずつならわかる)

って言いながら私は他に食っていけるだけの能力がないから
ここで頑張るしかないんだけども



明るい兆しが全くないではないですか
我々医療者も、頑張った成果なんか
全く見いだせない状態になっている


これから、入院もできずに
家で最期をすごす人が増えてもおかしくはない
現にそれをしている諸外国があるわけで
日本もそれがやってくるかもしれない

「治らなくて死ぬにしてもせめて呼吸を楽にしてやりたい」
とか言っても酸素がない、とか
死亡者が出たから酸素ボンベ回せる、とか
そういうことが日本にも起きるかもしれない

自分で選択した職業にこんなに嫌気がさすこと自体
多分いろいろ病んでいる
前はなんだかんだありながらも
仕事の楽しさってあったけどな



疲れたな



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