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15年ぶりぐらいにACLSプロバイダーを取得する [しごと]

これまでほとんどが高齢者という病棟に居たもんで
急変対応といったら窒息か不整脈が多くて
しかも普段モニターを装着していない人も多いから
その辺のACLS的な急変対応は「一通りのことしか」程度

その一通りも出来ない看護師は多いから
良いっちゃ良いんだけど
今年度の異動に伴って私は再びERという場所に
戻ったツケモノ


異動です やったー

「!!」 ヤバい

異動先を見た途端に
ソッコーでACLSを受講する手はずを整えた

ACLSはBLSの次につなげる心肺蘇生のトレーニング
こちらが詳細ページ
BLSは医療者なら普通に持ってろよ、という資格だけど
きょうび「研修費用は出ないけどちゃんと取っておいてね」
とか言ったらパワハラになる

すぐ脱毛クリニックに転職するナースも多いご時世だから
持ってない人も多い

ACLSもそこそこの組織の病院に就職したら
そしてERに配属されたなら当然(ry

(意識高い系の看護大学生なんかは
在学中に取得したりするんですけどね)


「やばいやばい、8年ぐらいのブランクがあるんだから
ブラッシュアップしなければ」

受講料が38,000円+税
テキストが11,300円

グゥ 痛い
痛いよぉぉぉ

テキストはメルカリで9,000円で購入した次第
38,000は…またメルカリでなんか売って作る
(イイネは良いから早く買ってくれ)


ビビッて2日コースを選択した
1日コースは習熟度の高い看護師とか医師向け
私は忘れてることがたくさんあるハズ
←内容がわからないぐらい忘れてる


それで川崎駅近辺での開催日程に参加したのだけど
いや~~~~行って良かった

いや行く前にまずオンラインで事前学習課題があって
これを70%クリアしないと受講ができない

なんというすばらしいシステム
それだけ丸腰で参加できる内容ではないってことね

開催のサイトにはこのような記載があった
1-1 学習期間
約200ページのボリュームがあります。ACLSプロバイダーコースは事前学習を前提で進みますので、二次救命処置に関してある程度の知識と理解が必須です。
受講される方の属性や資格、バッググラウンド、経験にもよりますが、例えば、一般病棟看護師であれば 2~3ヶ月ほどは準備期間を持ったほうが良いかと思います。

看護師でも、ER や ICU など、急変対応経験があり、日頃から心電図モニターに慣れている循環器病棟勤務などであれば、もっと短期間でも大丈夫でしょう。

え~~なんか大変なのかな~~
昔は若かったからそれなり大変でも出来たのかな~~

とか寝ぼけたことを言って
1週間前にテキストをメルカリでゲット
(この時点でまだ「まー大丈夫だろ」とナメてる)
そしてお金を振り込んで事前課題のサイトにアクセス


え、なんだこれわからない(焦

初回の結果は72%

ぶっはー!!

最悪です ギリギリすぎます
しかもこの事前課題のテストは
本当に基礎的なことしか問われていません
それなのにテキスト見ながら72%てアンタ頭悪すぎ 
問題もテキストもちゃんと読めという話

アクセスしてみた時「これはヤバい」
それしかなかった

ダメだこれはちゃんとテキスト読まないとダメ
でも私は影勉気質があって
人前でテキストを開けない

どこかで「ツケモノさんACLSのテキスト読んでた」
なんて言われて「えー受けるんだ」とか言われたくない
誰も注目してないから大丈夫だと言われてもできない

異動したばっかりで覚える仕事もあるし
なにしろ疲れてるもんだから
なかなかまとまって時間が取れないとか言って
「つまりやる気が出ない」「疲れた」
って言いながら家で細々ネチネチと勉強して
最終的に当日の往路の電車の中で97%の達成になった

よ、良かった(100%でなくても満足するタイプ)


講義は「あ、そういうこと?!」っていうのとか
「初めて知りました」みたいなこともたくさんあって
やっぱり知識・技術の維持向上というのは大事ですね


2日間、9時~19時まで講義&実技トレーニング

よく頑張ったー楽しかったー 
そして実技テストと筆記テストに無事合格
めでたくACLSプロバイダー取得できました

医療技術が進んだことに伴ってルールが変わったり
求められることも違っていたりするわけで
やっぱりそこをちゃんと理解ながら
適応していくのは大切


…って思いながら帰り道に川崎駅に向かう途中で
路上に倒れている人がいて、ぉわっ! 早速やん !
と思ったらただの泥酔したおじさんだった

まぁアル中も死にますけどね



川崎駅近辺は昔と違ってすごく発展していた
そして美味しそうなものがたくさんあって
なんか食べ歩いたりオットにもお土産とか言ってたら
まんまと太ってしまった


健康診断のこと忘れてた! 
まぁいいや~~
とりあえず無事にパスしたことを喜ぼう 





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虐待について考えてたら異動になってホッとした件 [しごと]

人事異動で配置転換です

もうこれに関してはとしか言いようがない

今まで3年、主に高齢者の精神科にいたのだけど
もう限界でした 

異動希望って今まで「可」でしか出したことなかったけど
初めて「希望有」に〇したもの


本当に、すり鉢でゴリゴリゴリゴリと
すり潰されていくような疲労

これまでの、
骨身を削って切り刻まれる疲労と違って
本当にすり潰されていく感じ
切り刻まれる疲労は
時間が経てばまだ肉が盛り上がってくるけど
すり潰されるのは傷が治る過程が一切なくて
本当に潰されていく

感情労働と肉体労働の極致
頭脳労働はあまり必要としないかと思いきや
通常の成人の病棟のように
「会話によるコミュニケーションがスムーズではない」
とか「忘れちゃう」とかで、
「いつもと違う」「何か変だ」と察知して
丁寧に情報を拾い集めて考えるということを
やっていかないと、普通に「お腹が痛い」とか
「腰が痛い」とか言ってくれないからわからない
代わりに、ご飯を食べないとかいつもより寝てるとか

メンタル的なボイコットなの?
フィジカルに調子悪いの?
うまく伝えられてないの?

そしてその頼りない情報から
いま何が考えられるのか?
推論しながら仮説を立てて介入していくことが
必要で、本当に難しい


----


最近我々の業界では過失や虐待のニュースというので
賑わっている 賑わうというのもおかしいけど

認知症の患者をトイレに誘導した結果転倒した件
「オムツに排便させれば良かった」という判決

そんなことあります?!

認知症ナメんなよ
トイレに行きたいって立ち上がって歩く人に
「あなたは常時見守りと歩行介助が必要で
今は付いていられないからオムツにしてください」
つって「分かりました」なんてことが出来たら
入院なんか必要ないし、自宅でだって
認知症による介護殺人とか起きない

オムツで出なくても便座に座ると出る患者が
「トイレに行きたい」と言うなら
トイレに行ってもらうわけです

楽をしようと思えば
膀胱留置カテーテルを入れて
引っこ抜かれないように身体拘束しとけば
オッケー

でもそれ看護ですか?てところ
だからこの場合膀胱留置カテーテルは不要だし
身体拘束も不要

2人がかりでも3人がかりでも、看護師は
重いよーーて言いながらでもトイレでの排泄を
援助する 

認知症...本当に人手を要する
これは精神科の病棟に限らない 
今や認知症でもストマを作る時代
作ったは良いけど毎度引っ剥がされて
大便が出てきてるー!とか
点滴置いてきたまま歩いて抜けて血だらけ!とか
一般の成人の病棟でだってだいぶ手を焼く

これは全国区でそうだと思う

例えば夜勤の巡視で「オムツ脱いでる!」て発見
(多分気持ちが悪いからオムツを脱ぐ)
大便のついたお尻でベッドの上をスタンプ
あらららららー待って待ってー

拒否られながら殴られながらオムツ交換してると
その騒動で起きた隣の患者が
フラフラと起きてベッドから降りようとする
そうするとセンサーでナースコールが鳴るんだけど
「今いけないから待っててくださーい」て
隣から言っても、患者はモゴモゴ言いながら
立ち上がってヨロヨロと歩いてしまう

やばい 
こっちだって今引っ掻かれたり蹴られながら
応援呼んで3人がかりでオムツ変えてるのに
手離せる人なんかいない

どうする?

①手を離さなかったら起きた患者がコケる
②手を放して起きた患者に駆けよれば
 残ったスタッフがオムツの患者に殴られる
③オムツ交換をせずにそのままにして褥瘡を作る

この三択
ま、だいたい②が選ばれる

だからその患者の排泄パターンとか把握して
起きられてから慌てるんじゃなくて
誘導できるようにスタッフ配置を考えたりするけど
入院したばっかりだったりすると情報がないし
いつも「いつもと同じ」というわけでもないから
下痢なんかでいつもと違う時間に起きることもある


オムツに排便してもらおう、って
そんなの認知症でなければ説得で可能だろうけど
認知症の患者の場合そうはいかない

だって病気なんだもの


身体拘束には三要件があって

1)切迫性  :利用者本人又は他の利用者等の生命
      又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高い事。
2)非代替性 :身体拘束その他の行動制限を行う以外に
       代替えする介護方法がない事。
3)一時性 : 身体拘束その他の行動制限が一時的なものである事。

*身体拘束を行う場合には、以上の三つの要件を満たすことが必要

という
精神保健福祉法に基づいて
厚生労働大臣が定める基準
というのがあります


「トイレに行きたいと思った時に
2分も待っていられないことがあるから」って
予防的に身体拘束をする、
てことはできないわけです

これが患者を自由にさせておくと
ロッカーのオムツを出して食べちゃうとか
他の患者の首を絞めちゃうとか
自分の寝間着で首吊っちゃうとか
鼻から栄養を入れている最中に引っこ抜いて
今後肺炎で死んじゃうとか

そういう行動があって、
かつ拘束以外のそれを止める手段がなくて
そして拘束が一時的なものであれば、
これまた医師の中でも
法律で特殊な資格を持っている医師だけ
身体拘束を指示できる、となっています

看護師もなるべく身体拘束は避けたい
だって人道的におかしいもの
弊害も大きいし
(普通の生活してる中で拘束を好むって
そういう性癖の人もいるだろうけど
通常表には出てこない話)

だけど、
身体拘束を徐々に解除していけるんでないか
医師に診察してもらって、
リハビリを進めて行けば
うまく循環していけるんでないか
って思って医師に見に行ってもらうと
その医師を怒鳴りつけて蹴り上げようとする患者

だめだったーorz
ってなっちゃうこともあるし

歩行訓練をしたらうまいこといくこともあるし
起き上がる活動に耐性がなくて
血圧低下になってしまうから
起きる練習から…って言ってる間に
お尻の皮膚が持たなくて褥瘡が出来てしまうとか

もう拘束はするのも外すのも
いくつものステップがあって、
試行錯誤しながらも外せる方向に持っていく

身体拘束をしない、という施設も増えてきてるんだけど
そういう施設は
本当に「ウチは拘束をしません。その代わりに
患者が転ぶこともあります。
胃管を抜いてしまうこともあります。
それによって死亡につながることもあります。
でも拘束はしないことで患者の権利を守ります。」
みたいなことを打ち出していて
だからまぁそれが自然な死だよね、って
納得した落としどころを明示している

後は
「拘束をしないでやっていける状態の患者しか
受け入れない」という施設(病院じゃなくて)も多い

つまり、「大声で叫ぶことで周りの患者や利用者に
迷惑をかける(患者同士でトラブルになる)なら
ウチにはいられませんので、病院に入院して
治療していただきます。」みたいな


どうします?
地域にも受け入れられない、
家でも見ることはできないほどの患者
だけど大事な家族

どこで誰がどうやってみます?

患者にも人権はあります
医療者にも人権はあります
毎日毎日大声で「あなたはなにもやってくれない」
「お父さんに言って論文書いて
あなたのことクビにしてやる」
「良い人のふりして!
私のこと殺す気で企んでるんでしょ」
「お前はうそつきだ」
「お前が隠したんだろう」

なんのこと言ってんの、っていうことを
会った途端に言われる

「なにか無いんですか、一緒に探しましょう」
とか言っても「ふざけるな、
お前がやったのはわかってる早く出せ」
とか言っていきなり怒鳴られたり、殴られたら
かと思えば別の日には「この前はごめんね」
覚えてるのか?一時的なせん妄か?て
近づいたらいきなりキスされそうになったり
実際に胸を触られたりする
またお爺さんといえどもめちゃ力強いから
離れるのも大変

「あなたに財布預けたんじゃないの、信頼できると
思ってたのにそういうひどいことをするんだね!」
とかいってツバを吐きかけられたりする

これを仕事だから、と我慢しつつ
「近づきすぎた自分が悪い」という主旨の
インシデントレポート書いたり
そういう評価を受ける事自体が嫌だし面倒だし
「なかったことにしよう」って書かなかったり

「わかんないのわかんないの」て言いながら
大便のついた手で腕を撫で回されたりするのは
スタッフにしたらめちゃくちゃ迷惑行為だけど
暴言でも暴力でもないから看護記録にしか書かれない

街中でやられたら普通に警察案件ですけどね

スタッフはみんな本当によく我慢している


今回の滝山病院の事件も
浮間のこひつじ園の事件も
Sアミーユ川崎幸町の事件も
病院や施設の虐待や殺人事件というのは
全然他人事ではない

いつ自分が犯罪者になってしまうかという不安

相手は病気だと分かっている
でもその人が言うことが時々言ってた腰痛が本物で
大動脈解離だったのに見逃したとか
そういえば下痢してたわとか
足がしびれるって言ってたわとか
聞き洩らさないように、いつもと様子が違わないか
見て、触って、「何か変だ」と感じる五感を
働かせているところに
この罵声を避けて「取りたい情報だけ取る」
ということはだいぶ難しい

99%ぐらいはメンタル的な訴え
後の1%ぐらい、本当にフィジカルの問題
いわゆる「本物か!」てやつ

「あーはいはい いつものやつね」って
聞いてない人は罵声の感度も低いからストレスも低い
(そして患者は予期せぬ急変で死ぬ)

聞かないし聴かない、ということが
常態化していないと、ガチに
「事実と異なることを大声で怒鳴る」とか
「暴力をふるってくる」とかいう患者の相手は
だいぶ限界がある
一生懸命その人に対応したことは
別の反応で返ってくることは、ザラ

自分のメンタルを守るためだけなら
①患者の話を聞かない
②無視をする精神力を身に付ける
なんていうか、鈍感力のスキルていうんですかね
ニブイ人が向いてると思う

そんなことしてたら患者死ぬから
ニブいばっかりじゃ困るけど
自分自身のメンタルヘルスを考えたらの話


でもアンテナの感度が高いとストレスも高い

本人の言うことを拾いながら
聴診したり触診したりしながら
対応してるのに、医師を呼んで15分後に
医師と一緒に訪室したら
「お前は嘘つきだ、腰が痛いなんて
言ってない、どこも悪くないんだから
家に帰らせろ」て怒っている

「ふざけんなよクソジジイ
こっちがこんなに時間使ってお前の言うこと
ちゃんと聞いてやろうとしてんのに
『お前』だと?嘘つきはどっちだよ早く○ね」て
そして患者に言われた暴言や振るわれた暴力に
カッチーン !ときてやり返してしまう

これは最悪のパターン、事件です
しかも一度やってしまうとタガが外れて
暴力で対応することが普通になってしまうだろう

「なんでやっちゃうの?」

(話題の病院は年齢層は若めでしたけど
受け入れてる患者層としては
なかなか重くて大変そうではあった)


限られた時間の中で
やらなければならないことをやるのがどれだけ大変か

疎通が困難な患者でも生きる権利は平等にある
疎通が困難だから、暴言を吐くから、
暴れるからとか暴力をふるうから
医療者も殴って良いとか殺して良いとか、
暴力の理由には全くならない

良いか悪いかとか実際に行うかどうかは別としても
殴りたい気持ちは分かる、
自分にそれだけの腕力があったら
やってしまったかもしれない

実際に事件の容疑者になったスタッフだって
やってはいけないことだというのは
頭ではわかってるはず


仕事ならなにされてもいいんですか
人権は全ての人にあるんですよね
患者にもあるし医療者にも当然あるんですけど

「仕方がないよね、だって病気なんだから」

.....うーん
患者だったら医療者に何しても仕方がないのか
仕方がないなら医療者はどこでその
トラウマになりそうなハラスメントを
昇華すれば良いのか

そもそも患者がそうならないように、
安心して過ごせるように、
人手がいて話し相手がいれば落ち着いてる患者が
落ち着かないのは「仕方がない」のか...?

患者も家族も医療者の人権も、
人権を守る気があるのかな、この国は


替えなければならないオムツを替えて
噛みつかれながら歯磨きをして
皮膚の清潔を保ち、患者の安楽を考えて
入院したからっていきなり日常生活の行動が
急激に悪くならないように訓練をして

「こうすると受け入れOKだった」
「こういうタイミングだと良いみたい」
「痛み止めを先に投与すると協力できる」
の先に、「やって良かった」
「やったー、すごいじゃーん」
ってなることもあるし
(まっっっったく関係なく殴ってくる人もいるけど)
諦めずに取り組むには、やっぱり時間と人手が必要

それを、疎通が取れる患者の病棟の配置より
さらに少ない看護師で対応をする配置基準

業務の工夫にも限界がある

遅い電子カルテを使いながら
裁判になった時のことも想定して
ちゃんとやることやってましたの記録をして
カルテ開示に耐えられる記録をして、
患者の生活パターンや現在の問題点がわかるように
そして看護計画を具体的に、
今の患者に合ったものに修正して
実践した結果がどうだったかまた記録して ...

家族は「徘徊されても困るので
寝たきりになってもらったほうがいいです」
という家もあるし
老いを理解していない家もあるし

良くなって帰っていくにも限界がある
またすぐ悪くなって再入院してくる
老いて死亡退院のことだってある

そこにまた新しい患者がやってくる

終わりがない


読んでるだけで絶望的じゃないですか?
お腹いっぱいですよね、わかります


後は働くスタッフの質というのもある
フィジカルで通用しないからメンタルで働こう
みたいな看護師も居るのは確か
「患者が言ってることがおかしいから
不都合はみんな患者のせい」てするスタイルとか
さっき書いた感度が低いからストレス度も低い人
患者の言うことを全く聞いてない、
汲み取らない人

「トイレー、て夜中に起きて制止が効かないから
眠剤飲ませました」とか言うナースが普通にいる
いやトイレ連れていきなよ、て

こういうスタッフがいると大変
(単科の病院だと配置転換もないから
ヌシがいたりしてヤバいところもあるのは
想像に難くない)

表面的には「患者の思いがー」とか
ペラペラ偉そうなこと言ったりするからまたタチが悪い
痰が詰まってからじゃないと吸引しないとか
体の向きもロクに変えないとか
それなのに、口から食べさせることだけは
「倫理的にぃー」とか言ったりするから辟易する
やりたい患者にやりたいことだけ実践して
後の担当患者は放ったらかしで
「私はやってる」て高い自己評価!
ていうのとかも

さっきと逆に「なんでやらないの?」
ていうヤツらはどこに行っても
少ないけど一定数いる

(話題の病院を実際に見たことがないから
わからないけど、
病院によっては組織の体質そのものが
だいぶ問題がある、という病院もそれなりある)


大きな病院で働く人も、
異動の希望が通れば良いし
退職も法律の範囲ですぐできれば良いけど
現実にはそうもいかない

異動はまた来年ね、と言われたり
退職は「今年希望で出してないでしょ?
そんなこと今されたら次年度みんなに、
患者にものすごい迷惑かけるんだよ」てことを
言われて容易には辞められない
(辞めて良いんだよそんなの
法律に違反してませんし)


「自分が犯罪者になる前に退職しよう」
これを選択できる身軽さや周囲の環境というのは
なかなかない
生活もあるし

暴力を振るう人は、ある意味責任感が強い
...のかもしれない、とも思う

ギリギリまで、患者に迷惑かけないように
スタッフにも迷惑かけないように
頑張って退職の道を選ばなかったのかもしれない

又は、理不尽な組織や患者たちの中で
自分のメンタルを維持するために逃避的に
自分自身おかしくしていくしかなかった
のかもしれない

今回の報道をチラと見て
コメンテーターの方々の論調を見て
「そこだけを切り取ったら
どうしようもなく圧倒的に医療者が悪いけど
その背景に何があるのかを考えてほしい」て思った

「1週間で良いんで、ほんと一緒に働きましょう」
若い人の精神科病棟にしろ老人の病棟にしろ
意思疎通が図れない、約束ができない患者に
ボコボコに殴られながら爪立てられながら
大量の排便を片付けながら
気に入らないからってオーッオーッオーッ!と
サイレンみたいに叫ばれながら
罵詈雑言、暴言吐かれながら
「だって相手は病気なんですもの、
仕方がありません」て言いながら
自分自身のメンタルヘルスと体調を保ちつつ
業務時間内に良い看護ケアが出来るかどうか
毎日毎日これをずーっと続けていけるかどうか

そしてコロナで「家族以外との会食禁止」
「医療者の責任を理解した行動を」て
愚痴の吐きどころもなく


これでなんともない、て人いたら
よっぽど人の言うこと聞いてないんじゃないかと思う

おかしな話って普通表に出てこない
世の中的におかしい仕組みを
個人が責任背負ってあれこれ言うのは
リスクが大きすぎる

今回の報道で、精神科領域の人手についても
問題になって改善されたらいいけど
残業のこともそう


私なりに3年頑張って看護をしてきた自負はある
やって良かったなという経験もたくさんあるけど
この国の、特に老年の医療提供は
正しいと思えない
対応するスタッフが少なすぎて、
患者も医療者も地獄だと思う

ほんと、3年が限界、よくやったと思う
4年目も、てなったら多分退職一択だった

4年目も、て言われなくて本ッ当に!
「ホッとした」これに尽きるなぁー





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巣窟を捜索しながらまたボヤく [しごと]

何年ぶりかで病棟配属に戻って
だいぶ心配だったのだけど
自分で言うのもなんだけど
意外とやってけている
(それなり知らない運用とか凡ミスはある)

そしてベッドサイドならではの事件の色々を
面白く感じながら仕事をしています

そして病棟に戻って
「やっぱ要るな」と思ったのが
パルスオキシメーター

患者の酸素飽和度を経皮的に簡便に見るモニターで
喘息の人とか呼吸器疾患の人なんかは
医療者でなくても持っている人はいます

入院患者全員に測るものではないので
病棟にはそれぞれ2つずつぐらいの配置なのだけど
スタッフは8人ぐらいで働いているから
「誰かパルスオキシメーター持ってない?」って
持ちだしている人を探して借りてまた戻す、
という時間がもったいない
でも高いから病棟のを使う、というシロモノ

以前に病棟で働いていた時に
キティちゃんのやつ買ったんだけど
どこに行ったかなー

1年位前に「どこにあるんだっけな」と思ったまま
探し続けていても見つからない

20,000円ぐらいするから
捨てるわけないしなぁ~~~

先日の夜勤明けで
いよいよ本格的に自分の部屋を大捜索

でも見つからない


うーーーん
そもそも失くしたら困るものを自分の部屋に置くか?
マイナンバーカードもオットと共有スペースに託しているし
自分の部屋には趣味の物しかないはずだ

…捜索で出てきた交換する年賀はがきを
「時間ある時に換金する棚」に戻しながら
その辺のスペースをゴソゴソやっていたら

ありました

やっぱりそうだ
大事なものは自分の部屋に置くべからず
IMG_2953.jpg
「何を勝ち誇ったように言ってるんだ」と
呆れられながら、電池を入れ替えてもらったら
ちゃんと測定できました

このSpO2っていうのが酸素飽和度
98%でまぁ健康な人 心拍数が77回/分
っていう意味です

長年喫煙している人なんかは
SpO2が90%割る人もいて
こういう人は低酸素に慣れてしまっているけど
風邪ひいたりすると本当に酸素がまわらなくて
真綿で首を絞めるように苦しくなる

私が以前小田和正さんのコンサートで
在宅酸素のお爺さんにいきあった時の話を
エントリしたことがあるけど

常に酸素投与を続けて目標値が90%って人とか
こういう人に高流量で酸素投与をすると
呼吸抑制がおきて心停止することがあるので
肺気腫の人なんかは「日常の酸素飽和度がどの程度か」
というのは大事な情報で、高ければいいということではありません
(よく救急隊が「SpO2 85%だったので
酸素マスクで5リットル投与しています!」と
意気揚々とやってくるんだけど、ちがうんだなー)

あとは血圧計
Amazon  _____2 _____  TERUMO (___)  ______ __.png
これはテルモの血圧計で信頼度が高い
(マンシェットが布なので除菌スプレーは必要)
訂正 これはエレマーノ2なのでナイロンでした!
エレマーノは布だけど、2は進化していたのでした

よく手首の血圧計で図るナースがいるけど
手首の血圧計は心臓と同じ高さでもなく
心臓から離れているので
誤差が大きく信用なりません

ていうか病院なら手首なんかで測るなよ! と
ツッコミどころ満載

昔は水銀計で測ってたんですよ
私も学生時代に買ったんだけど
そんなもん学生しか使いません
今時学生だって学校の演習以外では
使わないんじゃないかなー

病棟にあるのはこういうの
ATT00047.png
だけど、これは聴診器で聴き続けないと測れません

たくさんの患者数の血圧その他
呼吸音やお腹の聴診をするには
正確性と便利さを備えた電動カフの血圧計で
計測している間に呼吸音などの聴診ができるものが便利

速さと正確さ これ大事です
っていうか、病棟でこのテルモの血圧計を
数揃えてくれればいいのだけど
まぁ病院てところはその辺のコストは掛けてくれなくて
「でも残業が多いと『労務管理が云々』とか
『スタッフの育成が云々』とかブツブツ」
って言うのが常です

使えない電子カルテで面倒なのに
バージョンアップってさらに使えないやつ導入して
「便利になったのになんで残業が増えるんだ」と
管理者がジワジワ言われて
そのまま下に降りていく
前後の比較をデータ取るとかもしないから
早く出来ません=能力が低い、てことになり

そんなこんなで働きにくすぎてどんどん離職していくのに
この新型コロナ騒動で日本看護協会が
「退職者に復職呼びかけ」ってオドロキ

いやいやいや、無理でしょ
そんなだったら辞めて無いでしょ、って環境を
整えることもせず、むしろ感染管理的には劣悪になり
リスクも高いのに戻らないでしょ

それなら各病院のトップが現場やってみればいい
「こんな使えない電子カルテでこの複雑な業務
みんなよくやってるね」っていうの体験して
退職者が戻れるような、残業が発生しないような
労務管理ができて、仕事の割に見合う給与が出て
初めて退職者が戻ってくるのでは

正直根性論ですよ
「頑張って!」それしかない

頑張ってます
めっちゃ頑張ってます

医療者はストライキが起こせない
日々入院している患者がいるのに
それを放って自分たちの労働環境のために
ストライキはできない


まぁ、辞めて良い人もたくさんいますけどね
ディズニーとライブと海外旅行が好きで
そのためだけに生きてるような看護師割合は多い

辞めたい人は辞めればいい
あと辞めるべき人はとっとと辞めるべき

医療現場に今までだって余裕なんかありません
辞めるべき人がしがみついている分マイナス点で
めちゃくちゃ頑張って0点を維持する人がいるのが現実

つまり、40%で最大の人をカバーするために
160%で働いている人がいてようやく平均100%にする
ってことで、この40%の人は故意に40%であったり
無自覚に40%またはそれ以下であったりする
中には-100%、て人も居てダメージ半端ない

のに「収入がいいから」辞めない

そりゃそうだ
40%しか働いていないのにそんだけもらえば
収入良いことになるだろう
海外旅行だって行ける体力がある
160%の人は「こんなにこんなに働いているのに
バカみたいだ」ってなるし
家では廃人状態で動けない

案外と「自分のことだけは80%概ねヨロシイ、
患者のことも最低限、指示があったことだけは
漏れなくやって頑張ってます」って人が
一番心のバランスが取れているかもしれない
自己中でストレスも少ない

時々40%組でありながら
時代の波? によって管理職になる人もいて
そうなると現場は最悪です
1つも問題解決ができない
動かない、動けないまるで漬物石が上に鎮座して
スタッフが潰されていく

私はどっちかというと160%組だけど
160%組って大変なんですよ
40%の奴らに常にイライラしてるから

口調が厳しくなったりして
主軸となる内容より「言い方」で注意されたりして
40%組は「出来ないんだから仕方ないでしょ」って
容認する訳じゃないけど、と言われながら

ッッカー!! こっちがこんな頑張ってんのに
アホくさーーー!! ってなります

いつもイライラして感情のコントロールに
労力を要するわけです

だから私はだいぶ前に160%は止めました
120%で万々歳、ってぐらいを目指す
出来なかったら「みんなで」出来なかったね、って
評価を受け止めればいいや
できた!ってことに執着しないでいいや
いつもホドホドに機嫌よく

適度に味方を増やしつつ
相手にメッセージが正しく伝わるように
正しいことを淡々と続ける

そんなかんじです

とか言いつつ
自分のパルスオキシメーターとか
ゴソゴソ探しまくってる

そりゃ私の手が浮けば他にできることあるんだから
ビシビシやっていかないと

直接40%組を手助けすることだけではなくて
40%の人が他人の足をひっぱらないような
システムを作って、40%の人がせめて60%ぐらいで
働けるように下地を作っていけば
そして最低限の水準にも到達しない、
または到達できない人を適切に評価する道筋を作れば
もうちっとみんなで働きやすくなるだろう

がんばろーがんばろー(鼓舞)



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JPTEC プロバイダーコース修了 [しごと]

たらいまー。

行ってきましたJPTEC。

JPTECについては
You Tubeでとってもナイスな動画があったので貼付いたします。

この救急隊のやっている活動を学んできた次第。
6時半起きで電車に乗って出かけてきました。

朝8時40分開始~18時過ぎ終了。

ひたすら訓練訓練訓練。

市内の救急隊の若いおにーさんとか他の病院のスタッフも居る中に
紛れ込んできました。


救急指令
「出場要請! 車の単独事故、傷病者数不明、
10m離れた所に人が倒れているとの通報です!」

隊長役
「わかりました! 出場します!
高エネルギー外傷、感染防御確認よし、携行資器材、
外傷セット、酸素セット、ネックカラー、バックボードで出場します!」

隊員役
「わかりました!」

って、警察呼んだりオイル漏れとか確認して、呼吸循環外観評価もろもろ
いろいろやって車内収容して受け入れOKもらえて、よしシュッパーツ

ってO~K~~。

だったのに、次の出場だとバイクだったりして
「…(ヘルメットかぶってるよコレ首を戻してから外すんだよね?
外してから戻すんじゃないよね??)。」って一瞬フリーズしたりですとか、

その次の出場だと、奥さんに包丁で刺された旦那さんとかで
腹から包丁出てますから固定しますね。

とかですね。

3人ずつのグループで果てしなくグルグルと交代しながら
いろんな症例やって、実際のスタッフが乗ってる普通の車で
車外救出もやって、一通りやったーと思ったら
こんど腹臥位で倒れている人とかですよ。

この首いつ戻せばいいんだっけ、ですとか。
やっと車内に乗せて出発したのに、途中で患者の返事がない。
もしやと思ったら意識レベルが低下してる…。
「わかりますかーっ」ゴリゴリと痛み刺激を加えてみたり。

事前にガイドブックを読んでいったものの
その場になると慌てる慌てる。なにしろ15秒で評価、
2分でロード&ゴーを決定、5分後には出発していないといけない。

バックボードに乗せる途中でハッと思い出して
「ロード&ゴー宣言し忘れてました」とか言ったら
「さっきちゃんとしてましたヨ」なんて言われて、アレ、そうだっけ。
ですとか。

まーいろいろ。膝ついて肘ついて、頭部保持、バックボード、って
もう痛い。これ書きながら膝なんか赤くて痛くて痒い始末(しかも腫れてる)。

最後は筆記試験。
同じ部署の後輩看護師と、救急の医師の間の席で、
最後だけ安心した。ずっとボッチで心細かったよぅ。

前日ガイドブック開いて、〇×の理由まで書いて勉強していったのに
結局意地悪問題を読み間違ってた気がする。
もはや〇にしたか×にしたか覚えてない。

でも回答用紙に〇×を付けたあと、余った時間に問題用紙に〇×を付けて、
ミスが無いかどうかまで確認したから大丈夫だと思う!! と言ったら
後輩に「ただ、あの問題用紙には書き込まないように、って
最初に説明ありましたけどね…。」

えっ[あせあせ(飛び散る汗)]

先生も「僕も気になったんだよ、めっちゃ書き込んでるツケモノさん…
とか思っちゃった。」

えぇーっ[がく~(落胆した顔)]

恥は身内までですよ先生。言ってくださいよ…。

とりあえず、無事に合格いたしました。
2014-09-13 17.57.41 u_R.jpg
もうね、ツケモノじゃなくて、ウツケモノ、ってしておいた。
自戒の念を込めといた。

なんとか今週の山場、終了
あとはもうちょっと別件のヤマが残っております。

外傷診療、ERと言えどもこれまでは「病院に到着してから」
だったのが、プレホスピタルでの対応を学んで、一つ肥やしになった。
適切な医療の連鎖で、回復につなげていけるために、
また明日から頑張ろう。

とりあえず今日は早く寝るぞーっ。



救急隊と病院と [しごと]

本日のエントリはちょっと書くのに悩みます。
所詮は文字だし、読み方によっては誤解を招く
表現にとられかねないからなぁ、と思ったのだけど
日本の医療について思うところがぽろぽろとあったので
珍しくまじめに。

JPTEC てご存知ですか。

JPTECガイドブック

JPTECガイドブック

  • 作者: JPTEC協議会
  • 出版社/メーカー: へるす出版
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 大型本

一般の方はほとんどご存知ではないと思います。
JPTEC by Wikipedia 
で、大まかな内容は上記参照としてもらうとして…

今度、この講習会に参加することにしたのだけど
今日は夜勤明けでそのプレ講習に参加してきました。
オリエンテーションを含みながら、どういうアルゴリズムかを
理解するというもの。

ICLSとかACLSとか、BLSとか、なんでもそうだけど
「あっ、助けなきゃ」っていう事態に遭遇した時に
「何をすればいいのかわからない」ということだと
究極が「ヘタに動かして責任問われてもイヤだしー」とか言って
救命できないことになってしまうから、
「どういうことをチェックしながらどこまでできればヨシ」という
疑わしい何か、に沿ったアルゴリズムを理解しておくことは
必要なわけです。

(皆さんも、運転免許取るときなんかに救命処置の云々で
BLSの講習時間があったと思います。
もし、「自分の時は昔だったから無かった。」とか
「忘れた。」とかいう人は是非、
一般人向けのBLS講習会みたいのに
参加されると良いと思います。)

何をすれば良いか。
常に新しい知識・技術の獲得と更新が必要です。


それで、今回私はJPTECに参加するわけだけど
今日のプレ講習で思ったのは

「救急隊は熱い」ってことと
「救急隊の熱と病院の熱とは種類が違う」ってこと。

なんていうか
平たく言えば救急隊のスキルはすごい。
病院とどっちがどう、とかじゃなくて
それぞれ、病院に到着する前と到着した後、
我々と似てるけど違うことをやっている。
って、私は今日改めて知ったわけです。

ココは特に誤解をしないでちゃんと解読してほしいのだけど、
重症だけど死にそうにない患者」が
救急車で搬送されてくるとき患者の状態が
「情報と違う」とか「事実ではない」ことがちょくちょくあって
「そういうことならウチじゃない方が良かったんじゃないの。」
っていうのとか、結果的に「嘘ついてねじ込んできた」
ということになるのはよくある、とういうのが現状。

でも、来院時にすでに心肺停止とか高エネルギー外傷とか言うと
詳しい情報は後で。という前提で引き受けるわけです。

で、今日のJPTECでは、患者さんの脊髄損傷に注意しつつ
外傷性ショックの患者さんを速やかに救急車内に収容しましたっ。
そこまで。

すげーなー救急隊。
っていう、訓練と実践のたまものだった。

で、本題なのだけど
ここから、救急隊長が「〇〇救急隊です!」とHOT LINEていう
特殊な電話に情報を回してくるわけです。

前に救急車のたらい回しのエントリで書いたけど
医師は「専門の診療科が決まっている」わけです。

つまり、心血管センターで心筋梗塞のスペシャリストの先生に
「外傷の受け入れお願いします!!」と言われても
対応ができなくて困るわけです。

逆に、外傷が得意な先生が当直をやっているときに
「心筋梗塞の疑いです!!」と言われても、対応ができなくて困るわけです。

せっかく1分1秒を争って安全に迅速に車内収容して
「あとは急変しないように観察しながら搬送するだけ」なのに
搬送の受け入れ先を探すのに時間が掛かったらすごくもったいない。

また、受け入れを断った病院が次の受け入れ先を当たるという
訳の分からないシステムを導入した自治体があったけど
そんなことしてるほど病院は暇じゃない。

つまり、救急隊も病院も、お互い「それぞれ忙しい」。
のに、たぶん、行政の偉い人はそれに気づいていない。
のか、気づかないふりをしてるのか、気づこうともしていないのか。


それに、当直の医師だって「バイタルは?」「家族と連絡ついてるの?」
「かかりつけは?」って「そんなこと聞いてる暇があったら
搬送しながらにさせてくれー」ってことを聞いてくるわけです。

それを思ったら、大変だよなーと思って、
「iPadなんかを使って、情報のやり取りをしながら
受け入れ先を迅速に選定するシステムなんかは導入されないのか」と
質問をしてみたら、一人の隊長(と思う)が言ってたのが

「我々は、先生がどの科が得意であるかを把握しているんですよ。
だから、今日はこの先生がいるからココの病院にはこういう例を
当たろう、って分かるんです。普段から繋がりを持っておくことも
必要です。そこは救急隊長の腕の見せ所なんです。」

…半分わかるけど、半分わからなかった。(半分はわかるよ。)

分からなかった半分は「アナログすぎる。」って思ったから。

「こういう講習会や検討会などで繋がっておくと
やっぱり違いますよね。」

これも半分だけ理解した。

隊長。
アナログすぎる。ていうのと、現場各論すぎる。

それじゃ、救急隊は「よっしゃー迅速に決まったぜ、さすが俺。」
って言うのとか「ちぇっ、なんだよこれでもう5件目だよー。」
っていうのとか、
その日の各病院の当直医師と救急隊の関係性によって、
アタリハズレがあることを前提にコンサルトしている、
ってことじゃないのか??

肝心の患者の満足度はどこに行ったのか、ちょっとよくわからない。

そこは、医師の細分化された高い専門性が役立つよ!
ってところを最大に生かすシステムを作らないと
救急隊に依存してていいことではないんじゃないか。と思ったわけです。
そこは国が取り組むべき問題ではないのか。と。
(もしかしてもう取り組んでるのかもしれないけど
全然現場には降りてきてない)

でも、隊長は自分たちの努力とか、その辺りの話をしてた。
その努力は嘘がなくて良いと思うのだけど、その熱意だけでは
解決できる問題ではない。ってことなんだけど…

救急隊の熱意があれば、医師との繋がりを持って
得意分野を把握して、うまく渡り合うことで迅速に搬送できる。
っていう路線で、私の言った質問は
意味そのものがあんまり分かってもらえなかった感じ。

消防隊員が、休日を使って
消火栓の位置とか使える道路を確認して
「自分の地図」を作る、っていう話は聞いたことがある。
これは、消火栓の位置も道路もそうそう変わらないし
「そこにある」という答えが分かってるから良いと思う。

けど、病院の職員人間だし、その人間が診てる患者もまた人間。
外傷が得意な医師が病棟で入院患者の急変対応で
蘇生・救命処置をしていたら、やっぱり「今は受けられない」
ってことだってあって、それは消防で言うなら
「あったはずの消火栓が無くなってた」って状況が
常にあるわけで、そうしたら消防と同じことをやってても
すでに限界が見えてるわけです。

って思ったら、現場のスタッフに他の消火栓探しをさせるのは
無理があって、そうすると「消火栓無いから消火器でもいいや」
ってとりあえず運んで、病院の医師から
「情報と違う!!」って怒られたりする。
というズレが生じるんじゃないのかなぁ。

え、結局患者の満足度は? 

置いてきぼり。
(満足度って「〇〇救急に運んでもらって良かった♪」とか
「〇〇病院に運ばれて良かったわー♪」ってことじゃなくて
その患者に対して適切な医療の連鎖で回復に繋がった、って意味ね。)

病院の医師も、救急医療の研修に参加して
救急医療を担うものとしての知識・スキルを身に着けておくことも
とっても大事。
(きっと「期間限定だから」っていうお留守番救急の体制の病院は
すごく多いと思う。救急医って幅が広すぎるから、
科として成り立たせるのはすごく難しい話だ。)

そして、各自治体の救急指令センターか国かわからないけど、
とにかく国レベルで、救急隊の個人(その隊組織)の努力だけでなく
迅速な受け入れができるだけのシステムを構築する
必要があるのではないか。と。

医師も看護師も、病院側は病院側で
それぞれの専門性の中での研鑽をしている。
それは、病院に来る前のスペシャリストの救急隊の研鑽とは
まただいぶ違ってる。

つまり、「それぞれの専門家が」やるべきことについて特化する余り
「運ばれてくる患者についての共通するイメージがない」
ということで、そこが埋まってない溝としてあるのではないか
と思うのです。

現場でカタをつけることも並行してやっていくことではあるけど
それだけでは絶対に無理があるよなぁ。と思ったわけです。

うーん。

とりあえず今度はこのプレの本番が
丸々1日がかりであるので、勉強してこよう。

たがだが2時間のプレ講習だったのに、膝が痛い…。




初の学会発表 [しごと]

えー、昨日はとある学会がありまして
ワタシは発表を行ってきました。

ネタについては伏せますが、発表するのは初です。
いままで聞きにいくことはありましたが...

うぅ~ん 悩ましい。

データを取って集計して、抄録を作ってスライドを作って...
グラフの作り方がワカラナ~イとかいって主任さんに
作ってもらったり、その他だいぶ迷惑かけながら。

発表は6分間。
家でブツブツと練習していたら、帰ってきた相方に
「もっとゆっくり喋らないとダメだ」とかダメ出しされ
トチリトチリでちょうど6分ぐらい。

ふ~む、なかなか難しいものです。
早口なら得意なんだけどなー。

そしてスライドショーでリハーサルをやると
飛ぶ。セリフが飛ぶ。

ぐぅ... 練習。

あっ、やべ スーツ入ったかな。
そっちもリハーサルしとかないと
たまにしか着ないスーツ、やばいやばい。

心配したけど普通に入りました。
そうだ、ストッキング買っておかないと...
普段チノパンなどで仕事に行ってるこのツケモノ、
怠け具合がバレます。

で、当日朝、
USB2つにデータも入れたっ
スーツも着たっ
行ってくるっすー!!

扁桃炎の再発でフーフーいってる相方を残して
いざ、学会開催場所へ!!

 ...pasmo忘れた。
カードケースの製作依頼が来てたから
pasmoを見本にしてたんだった。

ま、まぁ切符でね...

駅から会場までは徒歩15分ぐらいのハズだけど
大事をとってタクシーで。
なにしろワタシだけ早く到着してデータの転送などがあるのです。
付き添いがいないので、誰も「コッチですコッチ!!」と
留めてくれる人がいないんです。
着慣れないスーツなこともあるし、行きはタクシーが安全。

ちょっと早く着きすぎたけど、皆様もいらっしゃる。

しばらくして統括座長が
「みなさん、集まってください!! 円陣になるように!」 

ぞろぞろ。ワタシ最前列。

「今日は朝早くからありがとうございます!」
「マニュアルお持ちでない方いらっしゃいますか!!」

ん?

マニュアル?? なんだかみなさん手元の資料を参照。

「お昼のサンドイッチはもう届いています!
お弁当がいい人はもう少しお待ちください!」

んん??
げっ、皆さん首から青いプレート下げてる。
"STAFF" コレ参加者じゃなかった。
今さら列を外れるのも怪しすぎる。

「長丁場となりますが、よろしくお願いします!!」
『お願いします!!』

解散。

やべー なんか大丈夫かワタシ。

冷や汗かきながら受付しようとしたら
「演者はコチラです」と隣を指され
隣の列では「看護はコチラです」とさらに戻され
もうなんでもいいから発表させてくれー、みたいな。

9時から枠の1時間前までにはデータの転送手続きを、
という話だったのに、受付開始になったの8時10分、
大丈夫だろうねぇー。なんてデータ受付の階に行こうとして
運良く主任さんに捕獲してもらい、合流。

データをUSBから移して「画面操作はこちらで行ってください」の
練習をしたら、セリフが映ってこない。

アレ、これセリフってどこに出るんですか?
「セリフは出ません。実物の画面と同じ画面が
お手元の画面に映ります。」

まじかーっ。

スライドショーの練習でセリフが飛んでも
当日は手元画面にセリフが出るから大丈夫だろ...なんて
のんきに暮らしてた。

やべー!! 覚えてる限りのことをメモろう。
歩きながら歪んだ字でぐにゃぐにゃと書く私に
主任さんの「なにしてんの。」 ...汗。

はっ、そうだ、抄録集買ったんだ。
抄録集には、事前に発表することをまとめて
送信したものがまとめられています。
それを買って、見て、自分の聞きたい演題や公演を
渡り歩くのです。

ワタシの抄録... 抄録... あった!!

折り折り。 ピリピリピリピリピー 破いて畳んで
よ、よし。
 
しかし原稿は無いわあくびは出るわ
なんだか緊張するーとか言いながら、びっくりするほど
心拍数が上がらない。起きろワタシの身体とアタマ。

そして、みなさんPower Pointをプリントして
発表原稿を作ってきて、それ見ながら
スラスラスラスラとしゃべるしゃべる。

途中、「キミ、発表のババだけ引かされて
スライド製作自分でやってないだろ」ってぐらいの
上ずった人とかいたけど、まーみんな手元の準備万端。

すげーなー。
え?ワタシ? まさかの当日抄録集を切り取りですよ。
自分の発表が載った抄録なのに、そこ切り取るー? みたいな。
なんか普通に準備悪いっていうか頭悪くてもう呆れる。

みんな、発表が終わると自分の団体に戻っていって
「緊張しましたー!」「大丈夫大丈夫ー」なんてキャッキャ。
けっこう固まってやってくるもんなんだな。

とかブツブツ思ってる間に、順番。

げっ、同じセンターの先生がわざわざ看護の方に来てる!!

えー 当院の概要です。
ゆっくりー ゆっくりー 
手元は見ずにスライドと会場見ながら。
ウンウンと頷いてくれてる人がいる。うん。

途中、アレ、なんだっけ他に喋ることなかったか?
手元の抄録切抜きを見たけど、字が小さくて
ちょっとよくわからない。もういいや。

多少前後したかもしれないけど、「ご清聴ありがとうございました」に
たどり着きました。 んっ、1分余っただけだからまぁ良し。

質問にも答え、終了。
「おつかれー。」ありがとうございましたー。

その後、いろいろ聞いて回りました。
お昼のランチョンセミナーは多分一番今ホットなトピックスを選択。
おもしろい。

むむっ、ここはお弁当がおいしくない。
京王プラザホテルの時はおいしかったな~~。

医師も看護師も参加するので
いろいろ聞きたい演題があります。

学会、たまに参加すると楽しいな。
他の大学の先生の発表で、質問もしてみたり。
自分の発表が朝イチで終わったので、気がラクでした。

そもそも発表、なんであんなに緊張しなかったのかな...
年をとったのか、関係者でないことで「うまくやらねば」が
ないからなのか...。 両方かもな。

とりあえず、おわったおわったー。

たーいまー。
帰ってくると相方はまだ寝ていました。
大丈夫かねこの人は...。

とりあえず動きを阻害する窮屈な本日の戦闘服を脱がねば。
ハンガーにかけておいたら、後ろから「えー?!」という叫び声。

なんだ?

「びっくりした、ボクのスーツ、短くなっちゃったのかと思った!
なんでこんな短くなっちゃったんだろう!! と思っちゃった!」

プッ ...マギー審司かっつーのー。

ははは、熱がある方が面白い。


そんなこんなで、年度末ももうそろそろ
いろいろまとめに入っております。

「そうそう、ボク思ったんだよー。発表原稿作ってないけどいいの?って。」

早く言ってよソレー。


---- おまけ

帰りの駅に向かう途中で撮った日本丸。
MM21.jpg
帆船はやっぱり美しい。


頑張らなくてはならない理由 [しごと]

年度末に近づくにつれ、自分たちの戦略の
進捗状況が「おおむねよろしい」の人と「...キミは...どうした。」
という差がついてきています。

なんでだー。

今年度の達成するべき課題を、昨年までの実績から見出して
組織的に求められているステージに自分が登っていけるだけの
努力をするはずが、「...自分はいいや。」とそっぽを向いてしまうのは
なんでだー。


自己中心的に「自分が」という主軸に立つから
そういうことになるのではないか?
組織的に、どうあるべきかを考えると
自分のやるべきこと(=やらなくてはならないことでもある)を
どうしても進めていくしかないのに、
自分の①力量や求められる姿に関係なく
そのレベルが低い人と同じステージでいいや
となるのは、組織的な視点で考えていないからだと思うのです。

だからといって、自分が一番底にいるのはイヤだから
いざとなったら最終的に一夜漬けで頑張ればいいや、
(そのときの上司の都合や組織的な時期は考えていないから
結局最後に「自分だけ評価してもらえなかった」とか言い出す)
ってことになる。

なにかを「してもらおう」。ということばっかり考えているのは
子供と同じです。自分が作っていくのではなく、作られた環境にいる前提。

会社だって家庭だって国だって、組織です。
この国をどうしていくべきか、というのを考えたら
自分がどうやって食っていくかを考えなくてはならないし
自分よりも社会的な弱者はたくさん居るはずだし
もっと追い詰められている人はたくさん居るはずです。

そこに、ちゃんとお金が回るように、
その人たちがその状況に甘んじて娯楽費にせず
(娯楽できるならその費用をさらに弱い人に回せるってことだ)
適度な支援が循環するようなシステムにしていかなければいけない。

そもそも、なんで頑張らないといけないのか?
それはとどのつまり、自分の人生をどうやって生きるか。ということに
なっていくと思っています。

頑張る人は魅力的だから良い人材が集まってくるし
頑張らなくて文句ばっかり垂れてる人には同じような人が
吹き溜まってくるから、不満は一生解消されない。

社会が悪い、夫が悪い、親が悪い、上司が悪い、会社がダメだ。

だったら、最大のアウトカムに対して悪いものやダメなものに、
自分がどうやって努力して対応していくか?

前向きな努力としては自分の傾向と対策を洗い出して
会社が求めていることに近づくように、、認められるだけの努力をする。
(後ろ向きな努力としては、親を相手にしないだけの精神力を身につけるとか
しなくていい努力を強要するヤバイ会社から早く抜け出す努力とか)
挫折をした経験を、どうやって生かすか。不貞腐れるか、もっと努力をするか。
これをするかしないかで、人生は全然違ってくる。
年を取ったときに、ただのお荷物として扱われるか、
大事な人材として扱われるか。

暖かい家庭、と思ったら自分の果たすべき役割があって
相手に自分に対して何かをしてもらうことだけを考えていたら
少額の慰謝料で切られて若い奥さんに乗り換えられるだけだ。

①で満足な人は、そのうち各組織に相手にされなくなる。
周りのために何かしら出来るのになにもしない人が
周りから何かしてもらえるわけがない。
自分で自分を大事にしない人は、他人からだって大事にされるわけがなくて
それを周りのせいにするのは、あまりに図々しい。

それには、頑張れる人がただただ搾取されるのではなく
②頑張り続けられるだけの何かがないと、
①「自分ばっかり働くのがあほらしい」
とみんなで働くことを辞めたら国は成り立たない。
けど、国民感情としては正直なところと言わざるを得ないだろう。

誰だって、楽なほうに流れたいし、頑張らないでお金が欲しいし
しんどいことはなるべく避けたい。
だけど、組織として頑張らなくてはならない仕事において
楽なほうに流れて誰かに迷惑をかけることに
何も思わないのか? 思わないわけない。
だからそれをマスクするために周りのせいにした不満を連ねる。

一人一人が努力して、みんなで終結して
結果として組織が頑張ったことに結束や達成感があって居心地がいい。
だからそこには居たいけど、頑張るのはイヤだ。(おい。)
だから「だって〇〇なんだもん」「でも〇〇だし」とか言って
努力をしないで周りのせいにして、自分が頑張らなかったら
それはみんなの足を引っ張ることになる。

今の弱った状況とその周りのモチベーションの変化というのは
まさにこれが当てはまるのだけど、子供が多いというか
組織的な視点で、弱っているところにちゃんと手が入るように。
と考えることができない(能力的にはあるのにやらない)って
いう状況ができていて、こっちも大概疲れてモチベーションもダダ下がり。

どういう状況であれ、自分の課題を見出しながらベストを尽くせ。
アウトカムを明確にして戦略を立て直せ。
そうしなければあなたが身を置きたいと希望している組織自体、潰れる。

...でもなー。

これは、②賞与の査定とか、適切な人材の評価が
フィードバックされていると思っていないから、
「頑張らなくても同じじゃねー?」ってことになるのだろうし、
日ごろからの行動について「まとまったマイナス評価をされても。」
「評価した人が悪い。」てことで周りのせいにして
不貞腐れるのではないだろうか? と思うこのごろ。

日常業務の中でも、ヨシ頑張った。とか、それはこうするべきだ。と
フィードバックはしているけど、その自覚が無いのではないかなー。
査定以外にももっと固い枠を設けて、あなたを今評価してるんだよ。という
時間を作らないと現代っ子には通じないのかも。てのもある。

まー、面白くない気持ちもわかる。わかるんだけどねー。
今はいろいろ、説明しがたくて難しくて弱い状況があるから。
だがしかし。私も個人の感情ではなく、組織の一員として
考えるべき立場の人だから、一緒になって「あほらしい」って
言えない。

その厳しい状況を、どうやって乗り切るか、を考えられることは
自分の成長の機会である。とやたらとポジティブに考えなければ
やってられない。

そうやって頑張らなかったら、抱えているメンバーが
みんなで頑張れなくなっちまう。


閉講 (とりあえず) [しごと]

10月からノコノコと都会に出かけて受けていた150時間の研修が
ようやく終了しました。「授業は。」

研修は、管理を学びにいくところなのだけど
他の大学の師長さんやら主任さんやら、そうそうたるメンバーが
集まっていたので、ペラペラの平の自分が参加するのはずいぶん場違いな
感じだったのだけど、なんとか付いていくことができました。

これからまだ1週間おきに新しい課題レポート提出が2回ありますよ~。
ってことですけども。はい。(T T

とりあえず、今まで出したレポートは再提出とかありつつ、通りました。
最初なんかね、ビックリ。年明けすぐに「再提出」とかいう衝撃の添削で
2つ返却されて、打ちのめされました。「レポートの構成がおかしい」という評価で。

まじか。20人ちょっとの中で、かなりの人数が「2週間以内に再提出。」 orz

これまでちゃんと小論文など書いたことがなく
レポートの書き方っていう知識がないもんだから、そこから本を買って
勉強する始末で、全然本題のレポートに辿り着けないったらありゃしない。

そこに波状攻撃で授業&新しいレポート課題がどんどん沸いてくる。
授業中めっちゃ指される。ご丁寧にテストまである。グループワークも多い。
発表したらしたでものすごい勢いでツッコミが入る。
英語の書き取り50回までやったときは、もはや自分がなんだか
わからなくなっていたほど、追い詰められていました。

もちろん普通に仕事しながらなので、レポートのための参考文献なんかも
読む時間がない!! とか言いながら会議も欠席させてもらって読んで、
1月は毎朝5時就寝、7時起床の仮眠ペースになりつつ、疲れ果てていて
肩こりもハンパ無くて「どっか詰まって死ぬかもしれない」と
本気で思ったぐらい、身体も痛かったし気持ちも張り詰めていました。

研修だけならいいのだけど、日常業務の合間、ってところがネックでした。

日常業務では自分の役割が普通にあるし、年度末の評価が2月アタマだもんで
それまでにパスするべき評価(350項目ぐらいある)を最後の最後まで
受けに来るスタッフたちもいました。

「もう本当に面接できる機会がないのが分かってるのに、『次にします』とか
サッサと帰ってたアンタが悪いっ!! 」とか叱り飛ばして
面接やめようかと思ったりしたのだけど、自分がこれまでやってきたことを
そんなことで水の泡にするのもイヤだし、「組織的にみんなが良い方向に」
と思ったら、やっぱりどうにかして進めなくてはいけない。

身を粉にするという言葉があるけど、粉どころか灰になってんじゃないの、と。

県や都の看護協会も同じタイトルの研修を開いているのだけど
それらに行った先輩たちからは「楽しく学びましょう的な感じだったよー。
資料に線引いてチョロっとレポート書いて終わりだった。」と言ってて、
なんで大学の方に行ってしまったんだろう...と本当に後悔しました。

「ほかではこんなに熱心に見てもらえない。みなさんシアワセですね。」
と言ってる先生の言葉に「いいよ、もうそんな熱入れなくていい。火傷してる。」
と本気で思いました。

ただ、大人になると場面場面ではいろいろ評価があるものの
筋として「こういうものだ・あなたのやり方ではダメだ・それで良い」
という指導を受ける機会はなかったから、
「これで良いのかな?」「こういうことで進めていけば良いのかな??」
と首をかしげながら、軌道修正したり、すごい勢いで
全速力で進んだりしながらやってきた方向とか考え方が
けっこうちゃんとやってきていた、という感じで
初めて保障された気がして、深く納得することができました。

それに、ヨソの病院の人たちと横のつながりができたことは財産です。
研修に参加しなかったら絶対知り合ってないであろう人たちと
いろいろ話したり検討しながら、立場も違う中で、
やっぱりすごく良い刺激を受けました。

レポートがまだ残っているから、終了証はまだもらえないのだけど
卒業式的に出席確認表をもらって、最後に一人ずつ感想を言う時間がありました。

・「本当に苦しくて大変で、仕事中に急に涙が出てきて、おかしくなってしまう!
と思ったりして、とにかくつらかったけど何とか終わりました。」とか
・「なんだかんだであっという間だったけど、つらかったから
達成感もあります。」とか、皆さんいろいろ。とにかくつらかった、と。

泣き泣き話してる人もいて、ちょっともらい泣きしつつ私も挨拶をしてきました。

先生方にも、同じ研修生にも、そして職場のスタッフにも感謝。
良い機会を与えてくれた師長さんにも感謝。
やっぱ大学の研修で良かった。たぶん(他を知らないからアレだけども)。

そして、Amazonと医学書センターで買い込んだ参考文献と、
研修に関係ないけど興味の沸いた医療関連の本たちの請求が、恐ろしい。

最終日、一緒に行っていた同じ病院の主任さんに誘われて
「最後にお茶しよう」と百貨店のオシャレスイーーーツなお店に行き、
今日出したレポートを見せたり、10年後の日本の話とか
今の職場での関わりとか、いろいろ話したり。

この主任さん、これまで委員会で顔を知ってた程度の人だったので
一緒に参加と聞いてドキドキしていたのだけど、
すごく話し易い人だったのと、私と同じぐらい方向音痴で、
年も同じで、いつも涙を流しながら爆笑しつつ一緒に通ってたので
この人でなかったら通うのさえつらかっただろうなーと思って
本当にありがたかったです。

そして、デパ地下ならではの買い物として
お惣菜屋さん巡りをして、今日オットに食べさせるお弁当を...とか
おいしそうな千枚漬けとか、めっちゃくちゃ買い物して弾けて
大荷物で帰ってきました。
(前に記事にしたブランケットやスリッパなどの運搬もあったの。)

相方さんは直接ガンバレとは言わない人だけど
再提出になったレポートを読んで添削もしてくれたし、話すことで書くに当たっての
私の思っていることを整理できたし、そしていつも以上に私の身の回りの世話を
してくれたし、テレビも付けないで静かにしてくれてたし、
多大な協力をしてくれたのでした。
柿安の牛肉弁当やその他もろもろ、たらふく食べてもらいました。


あー、終わった! 150時間、お疲れーっ!!

...で、これからね。レポートをね...。頑張りますよ。と。

とりあえず...今日は寝るっ!!


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今日食べたナントカいう洒落た名前のお店のコーヒーゼリー。
DSC_1485.JPG
対側にいる主任さんは私のレポートを読んでいるトコ。


バッヂがはずれた新人さんたち [しごと]

職場の新人さんたちは、入職して半年が経過し、もう新人じゃなくなったので
左肩に付けていた新人であることを示すバッヂが外れました。

「えーコレがなくなるの怖い。」と小声で言っていた新人さんたちですが
もうだいぶいろんなことを覚えてきています。


先日、腰パン男子が「行方不明になっていた最後のズボンが見つかったんですけど...」

以前、私が裾を縫い詰めたのだけど、まだ上げていない分が
クリーニングから行方がわからなくなっていたのだそうです。
クリーニング業者に聞きに行くように言っておいたら「見つかりました。」と
後日持って来ました。

「お願いしまス。これ差し入れです。」とチョコを添えてきたので
えっ?! 大人になっちゃって!! と笑ってしまいました。笑いつつも
「差し入れじゃなくてこういうときは『お礼のキモチです。』って言うのです。」と
結局怒られた彼でありますが...

だがしかし、です。

半年前はクリーニングにこれから出す分(穿いたやつ)を持って手ぶらでやってきた彼は、
半年してちゃんとクリーニング済みのユニホームを、コンビニの100円チョコを2つ添えて
持ってきたのでした。

なんだか素直にうれしかったです。100円云々とかいう話しではないのです。

うーん、腰パン男子のお母さんに教えてあげたい。

ちゃんと人にものを頼むときの挨拶ができるようになった! ということに
成長を感じました。いや、他にもたくさんの成長をしているのだけど、
分かりやすいエピソードとして、今回発表[ぴかぴか(新しい)]


腰パン男子、エライじゃないか。働きに出て良かったね! と言ったら
ニヤケた顔をしてうれしそうに帰っていきました。

 



おたんこナース うちの場合 [しごと]

珍しく仕事のこと。

普段、家では人として機能していないナマコのような有様なので
相方からも両親からも「ちゃんと仕事をしているんだろうか」と若干の疑問を
もたれているようですが、・・・。

うちは所帯が大きく、スタッフの年齢もピチピチの若いギャルから昔ギャルだった人まで
幅広い年齢層が働いています。

美容師さんにしろエステティシャンにしろそうだと思うのだけど、技術をもって生業とする人、
これはその人の感性が技術の幅を大きくさせるものであって、感性が無い人というのは
ザックリ言ってしまえば「向いてない」ということになるかと思うのだけど、
我々看護師(はっきり言ってなかったけど実はそうなんです)も同じだと思うのです。

へたくそな美容室やエステや歯医者さんなら行かなくなればいいだけの話しだけど
入院中「今日は私が担当です」と言われる受動的な環境で、患者さんに選択の余地が
ないぶん、年数=技術がある わけではまったく無く、大当たりもあれば大外れもある。
それこそナマコもいるし合コンクラブの会長みたいなのもたくさんいるし、
良い人=どうでもいい人、という図もあるし。

だいたいこの業界では人を確保するのに必死で、能力の査定が給料に反映するとか
いうこともなく、「低い能力は現場での指導で上げてってね(採用の段階で選別していたら
人が集まらないからさー。)」という丸投げが常です。

現場では、なんだかなーと思うことが多々あって、毎度毎度問題になることが
「入れ歯がいつからかなくなった(救急車に乗るときからして曖昧)かわからない」とか
「入院後何日か経ってから褥創があるのを見つけたけどいつからあるかわからない」とか

「私は搬送に付いただけだから知らない」「そこまで見てない」「気づかなかった」
みんな正座!アタマ出せこのバカタレ!と言いたくなることがたくさんあります。

職業意識というのは、理由はどうあれその職業を選択した自分のプライドというか、
なったからにはどうやってその中で生きていくか、そういうのが自分を支えながら
発展していくものだと、私は思っています。


毎日体を拭いているのに、なぜ気づかなかったのか?「そこまで見ませんでした。」 
えっ、じゃあどこなら見てるの?「お家ではどうしていたのだろうか?」と
気にしなくてはいけないところを「そこまで見てない」と言われたら、ポカーンだ。
高齢者は口の中をチェックするのだけど、これは義歯の有無以外にも
歯磨きという日常生活をどの程度やってきたか、とか、認知の問題とか、嘔吐とか
いろんなことを情報を得るためにチェックする。けど、チェックしましょうね、と決めていても
見ない人は見ない。

看護師なら当然そこまで見るんでしょう、アンタ素人か。ということまで
「そのとき言われなかったから見ませんでした」「こんなことになってると思いませんでした」

おぉぉーよぅ言った。お前はなんだ。その服はなんの職業なんだ。と。
限られた情報をどう掘り下げていろんな角度から考察していくことが仕事のひとつだけど
「医者のアドレスは確実にgetしたいけど、じいさんの口の中からの情報は興味なーい。」

そういうこっちゃからアドレスをgetしたところでちゃんとした相手にされないんだよ。

だいたいこういうのをやらかすのはいつも同じ人たちなんだけど、いつもいつもいつもいつも
同じようなことで注意されて、事柄によってはあなたのためにできたんですよ的な
マニュアルがあってもそれも守らず、また同じことを繰り返しすことになるわけです。

仕事が楽しくないという新人ではない後輩と面接をしていたら、
「仕事帰りは『やっと帰れる・なにも無くてよかった』とほっとする。」と言ってきました。
えっ、「よーし今日これ頑張った。明日はこうしよう。」と満足するのではなく、
ルーティン業務以外になにもなく、なにも起こらなくてよかった。と。

自分が看護師としてどうあってよかった、ということは考えないのかと聞くと
「そんなの考えたこともなかったし、その日がどうにか過ぎればいいです。」
おおおおおーーーーーーい!!!

待ってくれ。それはまずい。あんたは良くても患者さんはよくない。
患者さんはやってほしいことがたくさんあるのに、看護師はルーティン業務だけをやって
「他になにもなくてよかった」と安心しているなんて、それはいかん。

仕事場が楽しいかどうか、なんて自分次第ではないか。
キャピキャピ仲良く過ごして楽しいなんてサークルじゃないんだし、成長がなければつまらない。
昔のように、ガツガツ怒られて泣けということではなくて、日々の業務の中で自分の視野が
広がった瞬間とか、発見とか、人や対象に対する同じ技術のバリエーションが増えたとか
いろんな体験をして衝撃を受けたり人に影響を与えたりして、職場での信頼を得たり
患者さんや家族からアテにされるようになる。本日の反省を明日に生かして
地味に成長を続けていくという、積み上げていなかいと見えてこない楽しさがある。
それを「ルーティン業務だけやって帰れればそれでいい。」と言われては・・・。

だいたいルーティン業務ってなんだ。
たとえば、一昔前の主婦。主婦は一般的に家事をするとしよう。
家事の中にはいろいろあって、掃除も洗濯もご飯の支度も買い物もある。
息子の泥だらけのジャージと自分のシルクのブラウスは一緒には洗わないし
夫のワイシャツのポケットは面倒でも大事なメモやお金が入っていないか
確認してから洗濯機に入れる。これは、家事をするという範疇。
いちいち「だってポケットの中に大事なメモがあるかどうかなんか見てない。」
「ブラウスがダメになっちゃったからもう一枚買う。」とは言わない。

「あーお昼に行こうとして千円札入れっぱなしだったんだ!ありがとう!」
と夫に言われても主婦だからそんなことも想定内。これは家のことをやるプロだから。
いちいち言われてないから見てない、なんて言ってたら家庭は実質崩壊するんじゃないか。

まして主婦は給料が出ないけど、仕事となれば給料が出る。
給料が出る仕事場において、プロとしての意識がなければ仕事ではなく
「ただ来て帰るだけ。」になってしまう。骨董の中島ナントカさんじゃないけど
「良い仕事してますね~。」でなくては仕事として成り立っていないから続かないと思うのです。

人の感情もに目を向けなければそれはラク。
回復に向かう場合にしろ死が迫っている場合にしろ、
患者さんや家族のいろんな感情を汲み取ることはすごくエネルギーを使う。
だけど家族に話に耳を傾けることもなく、感情に触れることもなくただ過ぎれば
何事もなく終わる。その分達成感も、この職業だからやれることも、全部スルーするから
価値を見出すもなにもなくて、なにもなさすぎてつまらなくなっていくけど。

看護師の離職の内訳は、こういう自滅型と、それにあおりを受けて
疲弊していく人が大半を占め、残りのわずかは発展的に次の世界に向けて、
という人たちに分かれていくと思われます。

あおりを受けて疲れる側は、人と比べて疲れてしまうのではなく
さらに自分の技術と感性を磨いてよりよい仕事をする楽しみを共有する人が増えるように
頑張ろう。

自滅型は、ドクターからアドレスをgetしたものの発展しないまま年だけとるのではなく、
楽しくない理由を自分で気づいて進退を決めてほしいと願うこのごろです。
仕事になってないことで周りを疲れさせる前に。ぜひ。

ま、自分で気づくほどの感性を持っていれば仕事として成り立ってるかぁ。


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